ブログ 〔 マニアック放言録 〕
2016.01.05
プロレス vs 格闘技
数年ぶりに、年末夜のゴールデンタイムで、格闘技イベントが放映された。
番宣の深夜番組を数か月前から見ながら、楽しみにTV観戦に挑んだ。
私自身、35年くらい前からプロレスやキックのTV中継を楽しみに見てきた。
沢村忠の現役時代は見てないが、富山やベニー・ユキーデの試合は見た。
初代タイガーマスクの初登場からUWFでの活躍、シューティング創設なども見てきた。
実際の試合観戦では、猪木、馬場、ブッチャー、ブロディ、ハンセン、タイガーマスクら、
そしてオランダでは、クリス・ドールマンのリングス引退試合(vs前田)を観に行った。
性根の入った、武術,武道,格闘技,プロレス,バーリ・トゥードの大ファン(マニア)である。
当然、K-1は第1回からTV観戦している。もちろん、プライドも。
そしてついに、名試合連発の予感漂う一大格闘技イベント・ライジンが、
満を持して2015年の年末・大晦日に帰ってきた。
しかし、結果は『惨敗』。大いに期待を裏切られただけだった。
もちろん、一流選手たちばかりなのは知っているし、彼らの技術の高さも知っている。
しかし、これは年末のゴールデンタイムに放映するTV番組なのだ。甘い、甘すぎる。
クロンvsアーセン などは、本当に名勝負だし、一挙手一投足にハラハラしながら食い入るように見た。
しかし、年末のゴールデンタイムに見るような内容ではない試合がほとんどだった。
UFCやプライドなど、いわゆる何でもありのバーリ・トゥードは、予測しがたい攻防により、
どうしても怪我のリスクが高くなり、選手は正に命がけの一瞬で決まる一発勝負である。
しかし、だからこそ、ゴールデンタイムにTV放映できるような、「技vs技」の手に汗握にぎる応酬が無い。
今回のライジンの試合は、会場観戦や深夜番組、または有料配信コンテンツなどで見る分には、
格闘技のオリンピックと呼んでいいような夢の祭典だった。見る者を選択するから。
しかし、今回放映されたのは地上波のゴールデンタイムである。
話題先行の一攫千金のTV番組イベントとして、一発勝負に出たが故に、『惨敗』した。
何に対して『惨敗』したのか? 格闘技ファンなら分かるよね。
そう、新日本プロレスの1月4日レッスル・キングダム!!
近年の新日本プロレスは素晴らしい。正に、「キング・オフ・スポーツ」だ。
選手に詳しくなくても、彼らが辿ってきた物語を詳しく知らなくても、
単発の試合を見ただけでも、そこには良い意味で期待を裏切られ続ける、
ドラマ以上の壮絶な「技vs技」の応酬が繰り広げられる。正に「ドラマチック・プロレス」だ!
地域で放送されるTV局の関係で、私が再び新日本プロレス中継を見始めたのは約2年前。
オカダカズチカが登場し、元所属選手の帰巣もあり、新日本の選手たちがオールスター戦のように充実してきた。
猪木とタイガーマスクの黄金時代が去り、各レスラーがファンを置き去りにして分裂騒動に躍起だった悪夢の時代を、
記憶の片隅から吹き飛ばしてしまうほど、この2年間は強烈で勢いがある。毎試合、感動を覚える。
かつてのゴールデンタイムTV放映の新日本プロレス・黄金時代に、
三沢・小橋・川田が揃い踏みの全日本プロレス・黄金時代を足しても、まだ余りあるくらいの充実ぶり。
そこで問いたい! 新日本プロレスの首脳陣に、そしてテレビ朝日の首脳陣に。
こんな素晴らしい「キング・オブ・TVスポーツ中継」を、何故ゴールデンタイムに行わないのだ!?
新日本プロレスが有料配信コンテンツを運営しているため、以前ほどTV放映が重要でないのは分かるが、
オカダIWGPチャンピオンが謳うように、新日本プロレスをさらに高いステージへと押し上げるには、
まず、日本国内でこの「キング・オブ・TVスポーツ中継」を、コールデンタイムで実現すべきではないか。
テレビ朝日は、右肩下がりのフジテレビが「夢よもう一度」式に一発逆転を狙った今回のライジンの、
血みどろ・グダグダ・ボロボロの「ドラマ不在の格闘技」の失敗を必然ととらえて、もっと自信を持つべきだ。
流行や時代の変遷に流されることなく、新日本プロレスを支援し続けたテレビ朝日は、もっと自信を持つべきだ。
カネと名誉に群がる、ドラマ不在のバーリトゥード(格闘技)中継は、地上波にもう必要ない。
様々な社会不安の時代だからこそ、「ドラマチック・プロレス」を地上波に復権させる時だ!!
私以上に現役の、新日本プロレスファン達にお願いしたい。
新日本プロレス中継を、全ての地上波のスポーツ中継の頂上にまで、是非とも押し上げていただきたい!!!
拝