アーカイブ 2011年01月 | ブログ 〔 マニアック放言録 〕 | Passion for VF-2SS Valkyrie II (バルキリーⅡファンクラブ)

ブログ 〔 マニアック放言録 〕

2011.01.02

マクロスⅡ「主役」に関する考察

皆さん、新年明けましておめでとうございますm(__)m。
バルキリーⅡ生誕20周年まであと一年。今年は、今まで以上に盛り上げていきましょう。
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2011年元旦、当サイトをご覧の方から、めでたく初めてのオンライン・コメントを頂いた。嬉しい(祝! 祝! 祝!)。開設からの3ヶ月間、結構たくさんの方々がコンテンツを楽しんでくれているはずなのに、「お問い合わせ」からもブログのコメント欄からも、読者の皆さんから直接的なフィードバックは今まで無かった。

ウェブ本編記事だけだと、情報は伝わるかもしれないが、誰にどう伝わって、どのように受け取ってくれているか判断できない。私が使用しているcloud-lineで、フォーラムのような仕組みが作れるのだろうか。でも、だいぶ先の課題かな。
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さて、ここからが今日の本題。少しだけマクロスⅡの「主役」について考えてみた。

当ウェブサイトの立ち位置が「模型ファンの論理」なので、あまりアニメの物語には触れたくないのだが、マクロスⅡの事例は、メカデザインを扱う上での構造的な問題を提起しており、認識を深める上での格好の思考素材でもある。

アニメの物語上、マクロスⅡの主役(キャラクター)はTVレポーターの神埼ヒビキとなっている。この設定こそが、本作をロボットアニメから逸脱させた元凶だと考える。この設定が、アニメ・タイトルに記されている「マクロス艦」も、マクロス作品の代名詞である「バルキリー」も、物語の展開には全く関係の無い存在におとしめてしまったからである。

本作の“アニメ物語上のテーマ”を描くことが目的で企画したのなら、わざわざマクロスという“ロボットアニメの装置”を利用する必要はない。最初から、人気俳優や女優を起用した“実写のTVドラマや映画”として企画・制作すればいい。こんな舞台設定にしなくても、いくらでもテーマの表現方法はあるはずだ。

私が残念なのは、本作に関わった映像作家(制作者)達の姿勢に、「ロボットアニメを馬鹿にしているのか」という疑念を抱かざるを得ない点である。本作が制作された1990年前後、まだ今日のようには、TVアニメが世界に通用する「日本文化」としての市民権を獲得していなかった。当然、映像作品としては予算も技術も、社会的な格や認知度も、実写のTVドラマや映画の方が数段上だった(私見)。

そんな時代だったからこそ、当時企画に関わっていたアニメ作家達は、マクロスという“ロボットアニメ”そのものに正面から向き合おうとしたのではなく、日頃自分達がTVドラマや映画に対し抱えているコンプレックスを晴らすため、もっとお手軽・お気軽・手前味噌な“OVAアニメ”という映像媒体(メディア)を利用して、格上メディアでは実現できない自分達の“物語”を創作したかっただけではないのだろうか。

一体、誰のための作品だろう。ロボットアニメとしてのマクロスを見たいのは、ロボットアニメであることを期待している我々ファン(視聴者)である。制作側に立っている特権を濫用し、自分達が描きたいだけの物語(ストーリー)をロボットアニメに押し付けるのは、制作者の単なるエゴ・自己満足・現実逃避ではないのだろうか。

ロボットアニメなら、ロボットアニメとして一流を目指すべきだ。当然、メカデザインにおけるロボットの完成度が重要。さらに、ロボットを物語に登場させる必然的な時代・舞台設定、その社会におけるロボットの果たす役割、ロボットそのものの機能や性能、それを扱う人間との関係性、そこで表現する作品テーマの新奇性や普遍性など、ロボットを主軸として世界観が描かれ、視聴者である我々に何らかのメッセージや感動が伝わってくる作品であって欲しい。だから、“ロボット”アニメなのである。その場合、ロボットは物語の単なる大道具や小道具ではない

自分の世界(=本業)で一流になってこそ、他の世界(他分野=TVドラマや映画)にも影響力が広がっていくはず。自分の素性や足元を疎かにして、「隣の青い田んぼ」を欲しがり、いくら無い物ねだりしても、その作品や作家が三流やC級から抜け出せる訳がない。メカデザイナーにではなく、物語の作家側(監督も含むか?)に大きな問題があると見ている。

質を問わず、物語(ストーリー、プロット)を考えるだけなら、世界中誰でも簡単にできる。正解がないからだ。完成度や人気度を抜きにしたら、世界には数えきれないほどの物語が溢れており、それぞれが魅力的で、どれも間違いではないはず。

一方、「新しいバルキリー(メカ)を創造せよ」と言われて、一体どれだけの人間がそれを成し遂げることができるだろうか。バルキリーは架空のメカだが「兵器」である。ましてや三段変形する。当然、姿形も魅力的でなければならない。そういうメカ設定には、我々素人には想像もできないような高次元の創作技量が必要なはずだ。確かに、ストーリーは作品の骨格なので重要であることに違いはない。しかし、メカ設定はそれと同等以上に尊く高度な知的創作作業であると私はとらえている。

当ウェブサイトに掲載している「VF-2SS バルキリーⅡ」のメカ設定を見て欲しい。これを創るのが、どれほど難易度の高い作業か、どれほど高い感性と創造力を必要とするのか、この完成度から一目瞭然だ。だからこそ、もっと尊敬の念を抱き、作品中で大切に扱って欲しかった。物語作家は、メカ設定を馬鹿にしていると考えざるを得ないのが、マクロスⅡの実情である。

物語上、マクロスⅡの主役は神埼ヒビキ。それが本当なら、メカの主役は神埼の乗る二段変形SNNバルキリーのはずだ。でも、現実はそうではない。制作プロセス上、真っ先にバルキリーⅡ(藤田版)が主役としてフィーチャーされた。もともと、SNNが主役機だなんて、誰一人思ってはいなかっただろう。

それなら、メカの主役はバルキリーⅡなのか。決して、イカロスやメタルサイレーンではないし、SNNバルキリーであろうはずもない。だとしたら、本編中のあの扱いは何だ。制作者達は、なぜバルキリーⅡを、魅力ある登場人物(人間)のように描写しなかったのか。実写映画に例えるなら、高いギャラを払って超一流のハリウッドスターをわざわざ招聘し、どうでもいいチョイ役でわずか数カットだけ起用したようなものだ。これを、「失礼」 「無礼」 「非礼」と呼ばず、何と言う!?

もちろん、始めからロボットを小道具として有効活用すべく企画された作品もある。近年では、「コードギアス 反逆のルルーシュ」が記憶に新しい(個人的には大好きなアニメの一つ)。だからこれは、タイトルにもあるルルーシュ(人名)が主役であり、ナイトメアという魅力的なロボット兵器も登場するがロボットアニメではなく、全編を権謀術数が渦巻く人間ドラマになっている。とはいえ、ナイトメア達はマクロスⅡのバルキリーⅡ以上に物語中で大活躍し、各メカの個性も際立って描写されている。

一方、純粋にメカデザインで比較すると、当ウェブサイトで説明したようなバルキリーⅡの魅力に対し、残念ながらナイトメアは見劣りする。
第一に、胸から背中に伸びたコクピットの形状が昆虫の腹を思わせ、醜い上に兵器形状としてのスマートさを欠く。あれだけ後ろに出っ張っていたら、立った時にバランスが取れないはずだ。
第二に、兵器機能として両足の折りたたみ式車輪に新奇性と合理性は感じたが、美的にカッコ悪いの一言に尽きる。さらに、足や手は白兵戦において武器と同じ役割を担うので、ゴチャゴチャしたデザインでは、直ぐに破損する危険性が高い。
第三に、トリスタン(個人的には好き)という可変ナイトメアでは、フォートレスモードという航行形態に変形するが、その姿形が強引だ。バルキリーⅡファイターの、戦闘機として洗練された姿形とは雲泥の差がある。

だから私は、一機たりともナイトメアのフィギュアもプラモデルも所有していない。私は模型ファンだが、残念ながらナイトメアは収集対象たり得ていない。逆に、コードギアスは物語の完成度が高いから、アニメのDVDが欲しいくらいだ。

私が物語作品としての「アニメ」と、3D造形物としての「模型」を分けて考える理由を、少しでも理解して頂けたら嬉しい。

P.S.
当サイトの冒頭でも述べたとおり、私はアニメファンではないので、厳密なところのアニメ制作者側の事情は分かりかねる。従って、本ブログ内容に何らかの誤解や曲解があった場合は、何とぞ御容赦願いたい。

Who is 「私」? -自己紹介-

1965(昭和40)年生まれの射手座A型、ありふれた日本人ビジネスマン。シンプルなラインで洗練されたデザインなどをこよなく愛す。

ロボットでは Zガンダム / 大張版ドラグナー / ダンガイオー、そしてVF-2SS バルキリーⅡ。ヒーローでは バットマン(映画版1&3) / イナズマン / 破裏拳ポリマー / ダースベイダー。

工業製品では70年代に日本を席巻したスーパーカー。実は1/43精密モデルカーの自称「世界屈指のコレクター」。本サイトとは別に、モデルカーの愉しみ方を伝えるウェブサイト『モデルカー学』全7章を2017年2月6日に開講(日本語部分のみ)した。

新進女優では平祐奈さんと広瀬すずさん。グループ歌手では乃木坂46と欅坂46。基本はハコ推しだが強いて言えば、星野みなみ、堀未央奈、佐々木琴子、高山一実、岩本蓮加、菅井友香、長濱ねる、守屋茜、渡邉理佐などが推しメン。ひらがなけやきも意外と好きで、推しは齊藤京子、加藤史帆、渡邊美穂、小坂菜緒ら。二期生が加わってひらがやけやきは大化けする予感。

2017年6月25日から英国ロンドンに駐在(19年振り)し、2018年6月7日に日本に帰任。ロンドンでの欧州見聞録は『モデルカー学』のブログとFacebookに掲載中。

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