バルキリーⅡは、初代バルキリーの優れた変形原理を発展的に踏襲しており、一人乗り戦闘機サイズでありながら、可変兵器としての機能美と、ロボットヒーローとしての造形美を兼ね備えています。
近年のアニメでは一部CG等も用いるため、メカのディテールが細かくなり情報量が増すばかりですが、デザインのカッコ良さとは決して細部にこだわることではなく、全体のフォルムをどう創り上げるかにかかっています。
イタリアン・スーパーカーが何故カッコ良いかというと、ディテールにこだわる前に、車全体のフォルムをスマートに洗練化するようデザインしていくからです。
この立ち姿、約20年前のデザインに見えますか。歴史的な初代バルキリーのプロポーションを、シャープかつスムーズにリファインし、現在のロボットアニメでは考えられないような少ないラインで、全体のフォルムを美しく力強く完成させています。いつ見ても、惚れ惚れします。
初代バルキリーの魅力は、F-14然とした戦闘機が、一気に人型ロボットに変形したリアリティでした。しかし、今になって考えると、ロボットに変形するような未来兵器が、戦闘機の状態だけ現代(過去)の実機に近いというのは、論理的整合性を欠いています。
その点、バルキリーⅡのファイター形態は、航空機然としていながら、現代の戦闘機を模倣したフォルムではありません。他に類のない可変兵器として、技術上の独自性とスタイルの一貫性が非常にうまくデザインされています。素晴らしい。
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