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ブログ 〔 マニアック放言録 〕

2017.05.06

欅坂46 「不協和音」な “拳”

大好きな欅坂46だが、一つだけ大いに不満なことがある。
特に、反骨心を謳った最新シングル「不協和音」で顕著に表れている。

それは、『拳の握り方』

闘う “フリ” はしていても、闘う “拳” にはなっていない。
歌詞の意味や心情をダンスで表現しようとしているのに、心の叫びとして突き出された拳に魂が込められていないのだ。

武術では使用部位と使用目的に応じて多種多様な手形が存在するので、必ずしも空手流の正拳である必要はないが、
歌詞の意味とダンスの振りからして、「どう考えても人を殴るための拳だろ」という場面で、拳が適切に握られていない。
武術の経験や知識が無くても、上の写真を見れば、人体の武具である拳に覇気がないのがお分かりだろう。

素晴らしい歌詞とパフォーマンスなのに、圧倒的に 画竜点睛を欠く 表現となっている。何と残念な事か。
振付師のタカヒロが一言教えてあげればいいだけなのに。

これは「サイレントマジョリティー」でも同様。
横一列になってしゃがみ、中央のてち(平手友梨奈)が一人で拳を天に突き上げるシーン。
観る者全てが注目する拳で、あまりにも素人の握り方なのがいたたまれない。

それが何と驚くべきことに、てちは昨年8月に雑誌(BRODY)の企画で
新極真会(極真会館の分派)の塚本徳臣支部長と接点を持っていた。
ならば、尚更だ。「サイレントマジョリティー」のMVを観てもらったうえで、
ちょっとした対談と空手の指導、及び撮影が行われたそうだ。

極真会館(家元)を創設した故・大山倍達(生前・総裁)は、
最晩年においても拳の握り方について自問自答を繰り返していた。
家元がそれほど大切にしていた “極真の魂” を塚本師範は何故、
欅坂46のてちに伝授してあげなかったのか。舐めていたのだろうか。

故人の「空 “足” ではなく空 “手” だよ」という戒めの言葉にある通り、
動きの大きい派手な蹴りより、正しい正拳突きとまわし打ちについて、
その心と技術の指導をもっと丁寧に行って欲しかったところだ。

ちなみに、左の写真は動きの中のモノではなく、ポスター撮りのポーズなので
4本の指の並びは悪くないが、やはり右手親指の締め方が致命的に悪い。

人間を殴ると反作用が自分に跳ね返ってくるので、当てる部位だけでなく、地面を踏みしめる踵までを一体化し、
その反作用力をしっかりと受け止めなければならない。そのために「歩形」「姿形」「手形」などが重要となる。
アイドルが威力を云々する必要はないが、怪我をしない常識的な拳の握り方くらい表現しいないと真実味は生まれない。

そういう私自身、十代の頃は親指の握りが甘く、よく突き指をしていた。ある試合では手首の曲げ具合が甘かったため、
左手中指の第二間接に、対戦相手の前歯が折れて突き刺さり、私が指から流血して反則負けを喫したことがある。

欅坂46の売りでもある反体制的なイメージ(大人のシナリオだけど)を、もっと奥行きのある表現に高めるのなら、
手先・指先にまで “通” ならではの神経を研ぎ澄ませ、総合的なパフォーマンスの向上を図って欲しいと願う限りだ。

彼女らの意識やパフォーマンス能力を高めるために、全メンバー又は選抜メンバーで定期的かつ継続的に、
何かしらの身体運動をさせるという手もあるかもしれない。徒手空拳の武術系、舞踊系、伝統芸能系など。

もちろん、肝心要の歌唱訓練をしっかりと行った上でのことだが。

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